No4.中学校を卒業してから

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📘 前回の記事:No3. 引きこもり初期の1年 – 修学旅行から始まった

2004年4月生まれの次男が中学校を卒業したのは、2020年3月。ちょうどコロナが本格的に流行し始めた頃でした。

感染拡大防止のため、次男が入学を予定していた通信制高校では、入学式が中止になりました。
通信制高校は、全日制とは異なり、毎日通う必要はなく、大学のように自分で登録した授業だけに出席すればよい仕組みです。
しかし、新入生にとっては“入学のしおり”を読むだけで内容を理解するのは難しく、オリエンテーションだけは通常通り行われました。

授業登録や教科書購入のため、次男は最初の頃は指定された登校日に通っていましたが、昼夜逆転の生活の中で次第に出席できなくなり、
レポート提出やテスト受験も滞るようになっていきました。

「また去年と同じような辛い日々が続くのではないか」と思うと、私は不安でたまりませんでした。
どうしたらよいか分からずにいるうちに、私は気づけば次男のレポートに手を出していました。
いくつかのレポートを代わりに解答し、学校へ提出しましたが、やはり本人が動かない限り、単位取得には到底たどり着けません。

結局、1年目は1単位も取得できずに終わりました。

そして季節が変わり、通信制高校2年目が始まりました。
春になり、動物たちが目を覚まし、植物が芽吹き始める頃になると、
次男の表情にも少しずつやわらかさが戻ってきました。
昼夜逆転もいくらか落ち着いてきて、「やっぱり人間も動物なんだな」と毎年感じていたのを思い出します。

これまでの流れなら再び登校できなくなるところでしたが、なぜかその年は違いました。
次男は、日曜日と木曜日の登校日に合わせて、自分の力で時間を守り、学校へ通うようになったのです。

その姿を見た時の喜びは、今でも言葉にできません。忘れられない瞬間でした。

次男が選択した科目について、私たち親は何も口を出しませんでした。
その中に「簿記」が含まれていたことを知り、「勉強するなら、ぜひやってほしい」とだけ伝えました。
父親は、仕事を通じてお金の流れや数字に関わっているため、簿記の大切さをよく理解していました。

簿記に関してはまったくの初心者で、限られた授業と教科書だけで理解できるかどうか、最初は不安でした。
けれど、なんとか合格点をもらうことができました。
この成功体験は、次男にとって大きな意味を持ったと思います。

その後、日商簿記3級を何度も受験し、ようやく最近になって合格できました。
(普通は2〜3回で受かるところ、何回受けたか分からないほどです)

3年目、4年目も少しずつ単位を積み上げ、
2024年3月、次男はついに高校卒業の証書を手にしました。

🔜 次回の記事:No5. ”何もしない選択”をした息子と向き合った3年

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