No9.20歳、国民年金納付という現実

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📘 前回の記事:No8. 20歳「20歳の集い」を迎えて

子どもが20歳になる――それは、親にとって一つの区切りであり、新たな出発でもあるのかもしれません。

ところが、引きこもりの次男の誕生日前に、日本年金機構から「国民年金加入のお知らせ」が届きました。

長女や長男のときは、大学や専門学校に通っており、いずれ就職して給与から天引きされることがわかっていたので、特に気にすることもなく受け取っていました。

でも今回は違いました。通信高校を卒業しても働かず家にいる次男――彼の保険料は一体誰が負担するのか。そう考えた瞬間、私は戸惑いと不安でいっぱいになりました。

私が20歳だった頃、国民年金は任意加入で、市役所で手続きする人は少数派。22歳で大学を卒業し、個人事業主の職場に就職した私は、母に頼って国民年金に加入し、結婚するまで母が保険料を負担してくれました。

あれから40年近く――61歳になった私は、老齢年金の受給が近づき、ようやく年金制度についてある程度理解できているつもりです。でも、次男のように、ひたすらゲームに夢中で社会との関わりを持たない若者にとって、年金なんて他人事もいいところでしょう。

社会保険事務所では土日に親子説明会も行われていたようですが、正直、参加する気にもなりませんでした。

「収入がなければ免除してもらえるのでは?」
ネットで調べた結果、「免除制度」があることを知り、さっそく申請してみました。

数週間後、届いたのは「納付猶予」の通知。つまり、保険料を払わなくても今はOK、でも将来は納めなければいけない。さらに「免除申請」は却下されていました。理由は、世帯主である夫の収入があるから。

主人も若い頃は自分で国民年金を払う職場で10年以上未納状態だったことがあり、彼に「次男の分も払ってほしい」とはとても言えませんでした。

そして私は――4年後に老齢年金の受給を迎える身。無職の期間が長く、年金受給額は決して多くありません。でも、働いていない人間でも、たとえ少額でも年金がもらえることは、ありがたいことだと感じます。

現在の年金制度なら、保険料を満額納付し、平均寿命まで生きれば、なんとか元は取れます。けれど、次男の将来はまったく見通せません。親である私の老後資金は、次男の保険料を払うことで確実に減っていきます。

私は悩んだ末、「無理のない範囲で、できるだけ納付する」という答えを出しました。正直、これが正しいのかはわかりません。同じ状況にいる方と相談したくても、身近には誰もいません。だから、自分で決めるしかないのです。

この判断がいつか間違いだったと気づく日が来るかもしれません。けれど今は、「これしかない」と思っています。

あなたならどうしますか――?

🔜 次回の記事:No10. 「終身保険、解約しました」ー次男の国民年金を払うための決断

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